視界がゆがむ目の病気 | 加齢黄斑変性の症状と原因、治療方法

視界がゆがむ目の病気 | 加齢黄斑変性の症状と原因、治療方法

視界がゆがむ目の病気 | 加齢黄斑変性の症状と原因、治療方法

視界がゆがむ加齢黄斑変性という目の病気が、60〜70代を中心に増えており、50才以上の1.3%(約80人に1人)が罹っています。

今回は、加齢黄斑変性の症状と原因、治療方法についてまとめます。

「なんだか見えにくい」と感じたら

  • 普段歩いている時に、電信柱や塀などが微妙にゆがんで見えるようになった
  • なんとなく視界全体が霞んでいる気がする
  • いつも読んでいる新聞の字がぼやけて読みづらくなった
  • テレビを観ていたら画面がぼやけて変に見えた
  • 片眼をつぶると視界がゆがむ感じがする

このような症状に気がついたら、交互に片眼に手を当てて、碁盤の目やマス目などを見てみましょう。これは自分でできる加齢黄斑変性の簡単なチェック方法です。

まっすぐなはずの線が曲がって見えたら、加齢黄斑変性の疑いがあります。

加齢黄斑変性チェック

片目ずつ中央の点を見つめ、歪みや視野の欠損がないかチェックしてみましょう。
視界がゆがむ目の病気 加齢黄斑変性の症状チェック

加齢黄斑変性とは

網膜の黄斑部には特に視神経が集まっており、ものの細かい形を識別する中心的な役割を担っています。

加齢黄斑変性とは、加齢が原因で黄斑部に異状が起きる目の病気です。早ければ50代半ばから始まり、60〜70代の特に男性に多く見られます。治療せずに放置していると失明に至ることもある怖い病気です。

加齢黄斑変性には以下の2種類があります。

(1) 萎縮型加齢黄斑変性

黄斑部の中心部にあるくぼみは網膜の中で最も感度が高い場所ですが、そのくぼみが加齢とともに萎縮する病気です。

細胞がゆっくりと劣化していき、中心部がぼやけて見えるなどの症状が現れます。

(2) 滲出型加齢黄斑変性

加齢が原因で古くなった網膜の組織がカスとなって溜まっていくと、それを吸収するために”新生血管”が生まれます。けれども、新生血管は脆いためにすぐ破れて出血します。その滲んだ血液が網膜を押し上げることで、中心部が黒くなる、ぼやける、視界がゆがむなどの症状が起こります。

滲出型加齢黄斑変性は、深刻な視覚障害になることや、片方に発生するともう一方の目にも起こりやすいことが特徴です。

加齢黄斑変性の発生原因はまだ分かっていませんが、加齢の他に喫煙者に起こりやすいことが知られています。

もともと欧米に多い目の病気でしたが、日本ではこの二十年ほど患者が急増しており、食生活の欧米化など生活習慣病との関連も指摘されています。

加齢黄斑変性の治療

視界がゆがむ目の病気 加齢黄斑変性の治療方法

萎縮型には、残念ながら有効な治療方法がありません。視覚障害が軽く進行もゆっくりなので、経過観察となります。

滲出型の加齢黄斑変性の治療方法は、新生血管の発生や成長を抑制する抗VEGF薬の投与が主流です。また、新生血管を詰まらせる光線力学的療法、新生血管を焼き切るレーザー治療、硝子体手術などの治療方法も必要に応じて行われることがあります。

これらの治療は、症状の進行を抑制するためには有効ですが、症状の改善は難しいため、視覚障害が軽い段階で治療を受けることが重要です。

また、近年、iPS細胞から作成した網膜色素上皮を移植することで滲出型加齢黄斑変性を治療する臨床研究が進められています。技術の発展により、将来的に多くの患者が失明から救われるようになるかもしれません。

まとめ

今回は、加齢黄斑変性の症状と原因、治療方法についてご紹介しました。

「何となく視界がゆがむ」というのが加齢黄斑変性の初期症状です。もう年だから老眼かもしれないと思って放置していると危険です。「何となく」の段階で目の病気を疑い、早期発見・早期治療をすることが大切です。

また、禁煙や強い太陽光線もリスク要因として知られています。禁煙をする、サングラスをかけるなどの予防も心がけるようにしましょう。