糖尿病網膜症の症状と原因、治療方法 | 糖尿病からくる目の病気

糖尿病網膜症の症状と原因、治療方法 | 糖尿病からくる目の病気

糖尿病網膜症の症状と原因、治療方法 | 糖尿病からくる目の病気

糖尿病からくる目の病気で失明してしまう場合があることを、ご存じでしょうか?

高血糖はさまざまな合併症を引き起こしますが、中でも「糖尿病網膜症」になる率は30〜50%と高く、さらに失明相当の深刻な状態になる率は糖尿病患者の10%に上ります。国内における中途失明の原因としては緑内障に次ぐ2位の多さです。(2006年、厚労省)

今回は、糖尿病からくる目の病気「糖尿病網膜症」の症状と原因、治療方法についてまとめます。

糖尿病網膜症の原因と症状

網膜は眼底にあり、カメラでいえばフィルムに当たる器官です。網膜には網の目のように毛細血管が張り巡らされています。そこに高血糖の影響でドロドロになった血液が流れると、毛細血管が詰まったり損傷を起こし、糖尿病網膜症の原因となります。

個人差はありますが、糖尿病を発症してから5〜10年経過したあたりで合併症の糖尿病網膜症を発症することが多く、自覚症状がないまま下記の3つの段階を経てゆっくりと進行していきます。

糖尿病からくる目の病気「糖尿病網膜症」の原因と症状

1.単純網膜症

毛細血管の周囲細胞が破壊され血液が流れにくくなることが原因で、毛細血管瘤(もうさいけっかんりゅう)というコブ状のものができます。また、小さな出血斑や、硬性白斑というシミのようなものができます。

この段階では自覚症状はなく、眼底検査を行わなければ発見できません。

2.前増殖網膜症

血糖値のコントロールがなされずに単純網膜症が進行すると、毛細血管が詰まり始めます(毛細血管床閉塞)。すると、網膜に酸素が行き渡らなくなり、だんだんと危険な状態になっていきます。出血斑や白斑が増え、網膜に小さなむくみ(軟性白斑)が出てきます。

この状態でもほとんどの人に自覚症状は現れません。

3.増殖網膜症

さらに進行すると、酸素不足になった網膜の酸素を補うために、新しい血管が増殖します。けれども、この新しい血管は壁がもろいために簡単に出血してしまいます。出血が網膜の前の硝子体に及ぶと、視界が妨げられて、極端に視力を落としてしまいます。

また、新しい血管を支える膜が網膜を引っ張って、網膜剥離になることもあります。

ここまでくると、いつ失明してもおかしくありません。それでも、出血で視力が大幅に落ちたりしなければ、ほとんど自覚症状はありません。

糖尿病網膜症の治療

糖尿病からくる目の病気「糖尿病網膜症」の治療方法 |

糖尿病からくる目の病気になっても、単純網膜症の段階であれば、血糖値をしっかりコントロールすることで進行を抑えることができます。糖尿病の治療が合併症の抑制に効果があるのは、この段階までです。

前増殖網膜症や増殖網膜症の段階になると、進行を抑えるための眼科的治療を行います。

レーザー光凝固療法

網膜をレーザー照射で焼き付けて、出血や白斑を消し、新しい血管の増殖を抑える治療法です。この治療で、悪化した視力の回復はできません。

硝子体手術

眼球内で大きな出血が起こったり、網膜がはがれ始めた場合に行う手術です。全身麻酔をかけて、血液を抜いたり、網膜を元の位置に戻します。たいへん難易度の高い手術で、成功率は70〜80%です。

糖尿病網膜症の怖い点は、自覚症状がないまま進行していくことです。もし糖尿病に罹ってしまったら、定期的に眼底検査を行いながら血糖値をコントロールして合併症を予防していくことが何よりも大切です。

期待される網膜再生

今、iPS細胞を使って網膜再生を行う技術が確立されてきています。すでに加齢黄斑変性の患者に移植手術が実地されており、緑内障や糖尿病網膜症治療への期待も大きくなっています。

こうした技術の発展が、近い将来、糖尿病網膜症による失明の多くを救えることになるかもしれません。